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ろんだん佐賀1 ムラの崩壊と再生

  「私はこの町に生まれた。だからこの町に住んでいる。私の子どももこの町に住むだろう」。同語反復にも似たこの言葉が好きだ。高度成長時代と違い、現代社会は定住社会へと向かっている。しかし、共同性を特徴とした「ムラ」社会が根底から崩壊し始めている。集落として成立できない地域が、増殖している。定住社会以前の問題が、顕在化している。筆者が住む多久市を例にとってケースワークとしよう。
 多久の人口は、11月末現在で21878人(住民票ベース)だ。昭和29年の市制施行当時から半減した。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が五年ごとに発表している「日本の市区町村別将来推定人口」(08年12月)によると、高齢化率がもっとも進む35年には人口15551人と05年比で68・4%と激減する。佐賀県全体で見ても、同年比82・1%の減少だ。問題は共同性を持つ集落が、崩壊している点にある。多久市には特老ホームなど定住施設を除外すると、107の集落がある。限界集落という概念がある。65歳以上の高齢者が、人口の半数を超え、自治、共同施設の管理など共同体としての機能ができずやがて消滅する集落とされる。多久ではすでに、4集落が限界集落に転落した。自治機能を、複数の集落で合併して行っている地区もある。世帯数10戸以下の集落も10存在する。
 高齢化率の増加も著しい。総務省統計局の推定で今年の全国の高齢化率は、23・1%だ。多久市は、同27・1%、この数字は、日本の10年後の数値とほぼ合致する。社人研の同調査によると35年に多久は高齢化率38・6%、05年比で、年少人口6割減、生産年齢人口も4割減となる。恐ろしい数字だが、現実を直視しなくてはならない。よほどの社会事情の変化がない限り35年ごろまでには2ー3割の集落が自治不能となってしまうだろう。
 多久は森林と水田に囲まれ一見すると「ムラ」に見える。しかし農家が激減した。今年行われた世界農林業センサスでは、主業農家が175戸しかないのだ。全世帯数のわずか2・2%だ。伝統的に農家は地域の共同性を重視してきた。水田の水管理など農はかつて、ムラ社会共同性の中心を担ってきた。その農家がいないのだ。もはやムラの崩壊と言っていい事態である。これらの数値は多久だけの傾向ではない。県内の山間地、中山間地と呼ばれる自治体すべてに共通するものなのだ。
 ムラの再生はあり得るのか。筆者は、十年前から「ゆい工房」というボランティアによる地域の生涯学習団体に参加し、寺のギャラリーを講座やコンサートに提供している。先月、全編オリジナルのミュージカル公演を制作し、大ホールが満席になるなど大成功した。市民の出演者も客席も感激の舞台だった。昨年からは、県警主催の「子どもの居場所作り事業」に寺を開放している。幼児虐待や性犯罪の被害者、非行経験を持つ子どもたちとボランティアが、一晩を過ごし語り合う会だ。これらのボランティア事業に参加してよく分かることだが、人と人との濃い関わり合いがそこに生まれていることに気付く。かつてはムラが担った共同性が、そこに発生している。
 多くの自治体、集落のダウンサイジングは必至だ。だからこそかつての青年団、婦人会に代わり、こうしたボランティアなど、市民同士が関わり合いを持つ基盤づくりが急務ではないか。地域の芸能、文化、福祉などを担うNPO作りが急がれるのではと思う。

| ろんだん佐賀 | 11:10 AM | comments (0) | trackback (x) |

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