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時代は変わる

 国連の定義によると、六十五歳以上の高齢者の割合が一四%を超すと、高齢化社会から高齢社会に変わるのだそうだ。日本はすでにその割合が一七%を超えた。四人に一人が高齢者という世界一の超高齢社会にも、あとわずか二十年で到達する▼新たな四半世紀、この国のかたちは確実に変わる。戦後復興から高度成長までが青年期から壮年期だとすると、目前に控えているのは成熟期だ。成熟世代の意向を無視しては、時代が動かない、そんな社会がすぐやってくる。そういえば、近ごろのニュースは老いにかかわるものがとても多い。脳死談義をきっかけにした「死」周辺の話題に始まって、介護保険の導入、医療費の増大など▼日本最大のエンターテイメント産業に成長した芸能プロダクション吉本興業が、お寺に目を付けた。全国十万といわれるお寺に所属の芸人や笑いのノウハウを提供するという試み。仏教情報紙には「高齢社会、寺院活性化に役立てて」との見出しが躍った。中高年層が心の癒しとしてどんな笑いを欲しているのか、お寺に活動の場を持つことでリサーチし、新しい笑いのノウハウをつかみたいという吉本の戦略があるのではないか▼もとより、浄土教の伝統と芸能は、切っても切れない縁がある。何より落語の祖としてあがめられるのは、江戸初期に活躍した浄土宗の僧・安楽庵策伝(1554~1642)だ。互いに親和力はある。しかし時代はもっと先を要求している気がする▼次の時代の主調音が、老年世代から生まれる可能性を示唆しているのではないか。また「老人力」という言葉の流行が示したように、死や老いに対する負の意識が変わる確率も相当に高い。その時にはお寺空間もまた、時代の最先端の場になるということだってあり得るのだ。

| @Temple | 03:08 PM | comments (0) | trackback (0) |

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