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里山としての多久

 境内にアナグマが出た。八年ほど前、寺の森にコナラ(ドングリ)、クヌギ、クルミ、クリ、ブナなど実のなる落葉樹を植えた。昨年冬までは、その落ちた実から芽が出て、下草払いで手こずった。しかし、この冬から、全く落ちた実を見かけなくなった。不思議な思いをしていると、寺の境内を清掃してくださっている檀家の奥さんから「なんか小さな動物が、境内を横切って、お地蔵さんに供えてあるお菓子を食いちぎって逃げた」と教えてもらった。それからまもなく、寺で飼っている猫(雄)が、前足に大きな傷を負ってきた。獣医に相談すると「この傷ははアナグマですね」と。そうか、森に実が落ちていないのはアナグマが木の実を集めているからなんだ、と気付いた。寺の裏のどこかに巣を作っているらしい。
 寺に住んでいると、様々な野生動物に出会う。二十年ほど前だったが、テンが天井裏に巣を作って出産したことがあった。イタチも同じように天井裏に巣を作った(天井にシミができるので寺の管理上は困るのだけれども……)。民話・桃太郎に出てくるキジもサルも見かけた。極彩色のキジはとても綺麗だが、戦闘的である。寺で飼っている犬と喧嘩をしていた。モズ、ツグミ、ウグイス、メジロなど野鳥も、毎日境内で見ることができる。
 専称寺の建つ本多久は、里山の地である。八幡岳(標高764㍍)、鬼の鼻山(標高434㍍)、中世に多久家の山城があったと伝えられる城山(標高201㍍)、等々の山々に囲まれた旧い城下町だ。戦前は、多久の里山に木炭の材料として、カシなどが植えられ、戦後は植林ブームでスギが植栽された。昭和三十年代に入ると、里山のほとんどがミカン園となった。そして今、スギの人工林は、輸入材に押され材木価格の低迷により管理するものも少なく、公有林以外は荒れ放題。ミカンも価格下落によりミカン園は大半が廃園となり雑木林が復活している。
 野生動物が、里山に復活したのは、こうした山相の変化と関係あるのではと思う。皮肉なことではあるが、人が山に入らなくなって、野生動物が復活した。イノシシなどはあまりの繁殖ぶりで、畑作物などを荒らし、駆除の指定動物になっている。タヌキもキツネもよく見かける(というか、交通事故に遭って道ばたでよく死んでいる)。先日、友人の農家から聞いたことだが、数年前、環境省のレッドデータブックに掲載され絶滅危惧種になり話題となったメダカも、このごろ色んなところで見ることができるという。
 この国は、人口減社会に突入した。地方はますます過疎化が進むだろう。多久市は、二十年後に三〇㌫以上、人口が減るという予測が出ている。しかし、それはそれでいいのではないか、と思う。戦後から高度成長期に、あまりにヒトが山に入りすぎたのではないか。自然を開拓しすぎたのではないか。「山のものは山に返せ」という言葉を聞いた。山野に対し、最低限の手入れは怠ってはいけない。が、民話に出てくるような野生の小動物と共生できる自然を再生していくことこそ、里山に住むものの使命だと思っている。(住職独白)

| ポクポク木魚 | 03:16 PM | comments (0) | trackback (0) |

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